NHK大阪放送局「ニュースほっと関西」の電力小売り自由化の報道に対する公開質問状の回答に対するお礼とお願いを送付しました。

NHK大阪放送局
「ニュースほっと関西」放送責任者御中

金融の公共性研究所代表
高知大学名誉教授・経済学博士(京都大学)
紀 国 正 典
金融の公共性研究所
(http://finance-public.org.jp)

ご回答のお礼・確認とお願い


1月15日(金)放送時の、4月から始まる電力小売り自由化の会社選びのポイントの報道における件について、当研究所からの公開質問状について、迅速にご回答(1月19日付け)をいただき、どうもありがとうございました。
当方からの公開質問状に対して送付された「お返事」ですが、次のようにご回答があったものと、要点を確認させて頂きます。

第1に、会社選びの基準を、「料金が安いかどうか」だけで説明したことです。電力取引監視等委員会がまとめた電力小売りのルールでは、小売り業者は電力の電源構 成を明らかにし、原発か再生可能エネルギーかを選択できるようにすること、となっています。再生可能エネルギー業者の参入もあります。
それなのに、なぜ料金だけを選択基準と説明されたのか、ご回答願います。

ご回答:「選択肢が再生可能エネルギーの販売業者にも広がったことはこれまで全国 や関西のニュースでも取り上げております。関西電力が新たな料金プランを発表したことを受けて、日々の生活に直結する「電気料金」に着目し、小売り事業者選びのポイントをお伝えしました。」

第2に、「高浜原発が再稼働すれば料金が安くなる」と説明されたことです。しかし、これは将来の不確実なことで、原発規制コストの上昇と原油価格の下落で、原発が再稼働すれば料金が安くなると、今の時点で断定することはできません。将来の不確実なことを、原発が有利だと、関西電力のスポンサーのように断定的に報道することは、公共放送として許されません。
この報道姿勢の誤りについて、どのように思われているのか、ご回答願います。

ご回答:「高浜原発の再稼働や電気料金の値下げについては、関西電力の方針を客観的に伝えたので、断定的に表現しておりません。」

第3に、「高浜原発再稼働ありき」と断定的に、しかも決まっているかのように報道したことです。高浜原発が再稼働できるかどうかは、周辺自治体および住民や国民の世論の動向によります。反対運動が強く反対意見が多ければ再稼働はできません。その世論の今後の動向を無視して、「再稼働ありき」と断定的に決まったことのように誘導報道することは、公共放送として許されません。
この報道姿勢の誤りについて、どのように思われるのか、ご回答願います。

ご回答:「高浜原発の再稼働や電気料金の値下げについては、関西電力の方針を客観的に伝えたので、断定的に表現しておりません。」

第4に、昨年の国連「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の第5次統合報告書は、温暖化対策のためには、再生可能エネルギーの普及が重要であることと、原発はリスクが大きいことを、世界に向けて明快に発信しました。世界の潮流は、再生可能エネルギーと脱原発で動いていますし、それが人類が生き残るための最後の道です。その状況に鑑みて、貴局の報道姿勢は明らかに後ろ向きです。この報道姿勢に問題はないのか、ご回答願います。

ご回答:「小売りの電力販売の電源構成の問題については、人類の将来に関わる重要なテーマであり、公共放送として随時、ニュース、番組で伝えていくことにします。」

以上のご回答をふまえ、次の三点のことをお願いしたいです。

第1に、関西電力の料金プランだけでなく、新たに参入する電力小売り業者の料金プランおよび再生可能エネルギー業者の料金プランについても、客観的に報道して頂くようお願いいたします。

第2に、再生可能エネルギーだけでなく、原子力発電をどうするかのテーマも、人類の将来に関わる重要なテーマです。
最大のリスクは、安全なレベルになるまで10万年かかる使用済み核燃料(放射能が使用前の1億倍にもなる、きわめて毒性の強い高レベル放射性廃棄物:いわゆる核のゴミ)の最終処分場が無いことです。これらは原子力発電所と青森県六カ所村に大量に一時保管され(それ自体危険なことですが)、それも満杯になり、行き詰まっています。関西電力は、その一時保管所(現状では永久保管になる)を舞鶴に置きたいと京都府知事に申し入れ、知事の怒りをかいました。関西の水がめ琵琶湖が汚染されでもしたら、大阪・京都・滋賀など関西全体が住めなくなります。
このテーマについても、議論と啓発をお願いしたいです。

第3に、政府筋のマスコミに対する脅しと懐柔に屈せず、公共放送としての姿勢を堅持されることを強く望みます。ニュース9のキャスターの突然の降板さらにクローズアップ現代の国谷キャスターの降板等、国民はNHKが公共放送ではなく、政府の広報機関になりつつあることに大きな危惧を抱いております。このままでは、NHKは潰れます。危機意識をもって対応して頂くようお願い申し上げます。

以上、よろしくお願いいたします。

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