コラム「国際破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2021年8月9日

このたび、コラム「国際破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2021年8月9日)に発表しました。

ご関心のある方は、次をクリックして、『世界経済評論IMPACT』にアクセスしていただき、拙稿コラムをみていただくことができます。

国際破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか

ご笑覧いただければ、幸いです。

紀国正典著「貨幣数量説と貨幣減価の謎(1)―アダム・スミスの残した課題―」が高知大学学術情報ディポジトリに掲載されました

このたび、紀国が研究をすすめてきました「国家破産・金融破産」研究の第 6作「貨幣数量説と貨幣減価の謎(1)―アダム・スミスの残した課題―」(高知大学経済学会『高知論叢』第120号、2021年3月)が、高知大学学術情報ディポジトリに掲載されましたので、ご案内申し上げます。

ご関心のある方は、次をクリックして高知大学学術情報ディポジトリにアクセスしていただき、拙稿論文をダウンロードしていただくことができます。
ご意見のある方は、投稿ページ(意見交流)にてご意見を賜れば幸いです。

貨幣数量説と貨幣減価の謎(1)―アダム・スミスの残した課題―

本論文の構成は次のとおりです。

はじめに
第1章 貨幣数量説とアダム・スミス
アダム・スミスが提起したといわれている問題
『法学講義ノート』とヒュームの貨幣数量説
『国富論』における貨幣数量説批判(1)生産費低下
『国富論』における貨幣数量説批判(2)貴金属分量の減少
『国富論』における貨幣数量説批判(3)貨幣還流と貨幣不信
アダム・スミスの貨幣数量説批判(まとめ)
ジェイムズ・ステュアートの貨幣数量説批判

(以下、次号掲載です。)
第2章 地金論争とアダム・スミス
地金委員会と地金論争(第1次貨幣数量説論争)
『地金委員会報告』とアダム・スミス
ディビッド・リカードの貨幣数量説とアダム・スミス
ディビッド・リカードの貨幣・金融制度改革論
ピール銀行条例と通貨主義・銀行主義論争 (第2次貨幣数量説論争)

第3章 さまよう貨幣数量説
おわりに

本論文において貨幣数量説批判をとりあげた意義について、本論文の「はじめに」において、次のように述べています。

「現代になっても、この世の中をさまよっている亡霊のような貨幣・金融理論が存在する。それは、貨幣数量説である。

亡霊といったのは、この貨幣数量説を、経済学の創始者である二人の知の巨人、ジェイムズ・ステュアートとアダム・スミスが、それぞれ『経済の原理』と『国富論』において、きっぱりと明快に批判し、学説史から退けていたからである。いわば死んだも同然の金融理論だったのである。ところが不思議なことに、この金融理論を、古典学派の経済学の完成者と評価されるリカードが、あの世からよみがえらせたのである。一度死んだはずなのに、またぞろ復活するのは、まさに亡霊だろう。
さらに貨幣数量説は、アメリカにおいて、数量経済学者であるエール大学のアービング・フイッシャーによって、さらにシカゴ大学のミルトン・フリードマンなどのマネタリスト(貨幣主義学派)によって、また命をふきこまれたのである。

貨幣数量説を亡霊といったのには、もう一つ理由がある。亡霊のように希薄で根拠に乏しいからである。だから変幻自在・応用自在でなんにでもとり憑くのである。
日本では「アベノミクス」というおおげさな衣を身にまとって政権中枢に入り込み、「リフレ派」などとの気取った化粧をほどこして金融中枢のもぐり込んだ。リーマンショック後の世界では、ヘリコプターから金をまくように量的金融緩和すれば、万事うまくいくという奇っ怪な「ヘリコプターマネー論」が、すでに日本で失敗済みなのに、世界に出没するようになった。そして今では、財政も金融も経済もそして家計も危機的に悪化しているのに、株価だけが異様に高騰するという怪奇現象をひきおこしている。

本論文は、このような不思議な現象を解明してみようとするものである。いわば亡霊の正体をみてみたいのである。

以下、次の順序で、考察をすすめる。
第1章の「貨幣数量説とアダム・スミス」では、スミスとステュアートが、貨幣数量説をどのように克服してきたのかについて、明らかにする。第2章の「地金論争とアダム・スミス」では、一度死んでしまったはずの貨幣数量説が、なぜ、どのようにして、リカードによって復活したのかを解明する。驚くことに、貨幣数量説は、スミスを旗印にかかげて、蘇生したのである。第3章の「さまよう貨幣数量説」では、それ以降の現代に至るまでの貨幣数量説の変遷を概観してみることにする。最後に「おわりに」で、これらをまとめるとともに、残された課題について整理してみる。」

以上です。
ご笑覧いただければ幸いです。

紀国正典著「アダム・スミスの国家破産論―国家破産なき学問体系と学問方法の解明―」が高知大学学術情報ディポジトリに掲載されました

このたび、紀国が研究をすすめてきました「国家破産・金融破産」研究の第5作「アダム・スミスの国家破産論―国家破産なき学問体系と学問方法の解明―」(高知大学経済学会『高知論叢』第119号、2020年10月)が、高知大学学術情報ディポジトリに掲載されましたので、ご案内申し上げます。

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アダム・スミスの国家破産論―国家破産なき学問体系と学問方法の解明―

本論文の構成は次のとおりです。

はじめに
第1章 アダム・スミスの研究足跡と時代背景
アダム・スミスの生涯と研究足跡
アダム・スミスの生きた時代

第2章 アダム・スミスの学問体系と学問方法
アダム・スミスの研究足跡と学問体系
経験主義アプローチ
ニュートン主義アプローチ

第3章 グラスゴウ大学『法学講義ノート』にみる国家破産論

第4章 『国富論』にみる国家破産論

第5章 国家破産なき学問体系―アダム・スミスの残した課題
スミスの国家破産なき学問体系
経験主義アプローチによる解明
ニュートン主義アプローチによる解明

おわりに

「アダム・スミスの国家破産論」をとりあげた意義について、本論文の「はじめに」において、次のように語っております。
「本論文では、アダム・スミスの国家破産論を考察する。(以下スミスと略記する)
スミスの国家破産論を取りあげる意義について、わたしは次のように三つを考えている。
一つは、スミスがジェイムズ・ステュアートと共に経済学を近代科学として確立し、「経済学の父」と賞賛されていることは多くの人の知るところであり、そのスミスが国家破産というテーマをどのように取りあげているのかを論じること自体に、意義はある。
ただしそれだけでなく、スミスの経済学は現代では、新古典派経済学や市場原理主義経済学などの、国家破産を防止できないだけでなく、気候変動破産を促進する役割をしている経済学を勢いづかせる役割をもっているので、それを抑止するためにもスミスの国家破産論を検討しなければならないのである。
二つめは、スミスの国家破産論を、「国家破産なき学問体系・学問方法」として考察することである。これまでの学説は、もっぱら重商主義批判としてのスミスの国家破産論だけに目を当ててきたが、重商主義批判の土台を形成した彼の学問体系は、「見えない手」に導かれた「自然的自由の体系」であり、国家破産は起こり得ないのである。
そうだとすると、スミスには、「国家破産ありの学問体系」と「国家破産なきの学問体系」が並存していることになる。スミスの国家破産論を解明するには、この両側面に目を配り、その学問体系と学問方法にまでさかのぼって検討しなければならないのである。本論文の副題に、「国家破産なき学問体系と学問方法の解明」としたのは、この両側面について考察するという趣旨である。
三つめは、これまでのスミスの国家破産論のほとんどが、スミスの「公債論」、つまり「財政破産論」として研究されてきた。しかし、国家破産は、財政破産に限らない。破産を、「人間が持続的な管理・運営に失敗し、思考と行動の一大変革を強制されること」と定義してみると、破産は、個人破産から企業破産、銀行破産、自治体破産、地域破産、政府破産そして国際破産へと規模が拡大し、さらにその要因から分類してみても財政破産、貨幣破産、金融破産、経済破産、気候変動破産、災害破産、戦争破産へと広がる。2)
わたしが本論文で、スミスの国家破産論という場合にも、そのような広い意味で使っている。このような多様な意味での国家破産という視点から、スミスの国家破産論を検討するつもりである。
以下、次の順序で検討をすすめる。
第1章「アダム・スミスの研究足跡と時代背景」と第2章「 アダム・スミスの学問体系と学問方法」においては、スミスの生涯と研究足跡を追いながら、スミスの学問体系と学問方法を検討してみる。
第3章「グラスゴウ大学『法学講義ノート』にみる国家破産論」と第4章「『国富論』にみる国家破産論」では、重商主義が国家破産を引き起こしたのだというスミスの重商主義批判としての国家破産論(重商主義国家破産論)およびスミスの提案する重商主義国家破産からの再生案について検討してみる。
第5章「国家破産なき学問体系―アダム・スミスの残した課題」においては、国家破産なきスミスの学問体系について検討し、なぜそのように至ったのかについて、スミスがその学問方法を確立した初期の研究成果の『天文学史』を深く検討して、解明を試みる。
最後に、「おわりに」において、これらの検討結果をまとめてみる。」

以上です。
ご笑覧いただければ幸いです。

コラム「貨幣破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2021年5月31日

このたび、コラム「貨幣破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2021年5月31日)に発表しました。

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貨幣破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか

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コラム「財政破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2021年2月22日

このたび、コラム「財政破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2021年2月22日)に発表しました。

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財政破産の歴史:人類はどうして学ばないのだろうか

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コラム「人類はどうして学ばないのだろうか:なぜくり返す、国家破産の歴史」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2020年10月5日

このたび、コラム「人類はどうして学ばないのだろうか:なぜくり返す、国家破産の歴史」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2020年10月5日)に発表しました。

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人類はどうして学ばないのだろうか:なぜくり返す、国家破産の歴史

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コラム「コロナショック破産は気候変動破産と根っこが同じ人災である」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2020年4月20日

このたび、コラム「コロナショック破産は気候変動破産と根っこが同じ人災である」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2020年4月20日)に発表しました。

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コロナショック破産は気候変動破産と根っこが同じ人災である

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論説「気候変動破産―人類を救えるか:TCFD最終報告書―」が高知大学学術情報ディポジトリに掲載されました。2020年3月

このたび、紀国が研究をすすめてきました「国家破産・金融破産」研究の第4作「気候変動破産―人類を救えるか:TCFD最終報告書―」(高知大学経済学会『高知論叢』第118号、2020年3月)が、高知大学学術情報ディポジトリに掲載されましたので、ご案内申し上げます。

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気候変動破産―人類を救えるか:TCFD最終報告書―

本論文の構成は次のとおりです。

はじめに
第1章 破産の定義・分類と気候変動破産
破産の定義
破産の分類と気候変動破産

第2章 気候変動破産とその特性
気候変動破産の特性

第3章 自然環境変動破産とIPCC報告書
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)
IPCC第5次評価報告書(2013年から2014年)
IPCC特別報告書(2018年、2019年)

第4章 社会環境変動破産とTCFD最終報告書
気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォース(TCFD)
TCFD最終報告書が求める情報開示手続き
TCFDが必須条件として要求する五つの改革作業
TCFDの情報開示手続きが求める作業手順
なぜ金融部門に対して特別仕様の情報開示か
なぜ非金融部門(4グループ)に対して特別仕様の情報開示か
TCFD最終報告書の意義と課題

おわりに

「気候変動破産」をとりあげた意義について、本論文の「はじめに」において、次のように語っております。

「本論文は、地球温暖化やそれによる気候変動現象を、「人間の破産行為」として位置づけ、その考察を試みた研究成果である。
地球温暖化やそれが引きおこす気候変動現象は、人間が地球環境の持続的な管理・運営に失敗したことによる結果であるので、明らかにそれは「人間による人間の破産行為」である。しかもその規模と範囲からみても、国家破産であり、国際破産なのである。したがって、これらの現象を「気候変動破産」とよばなければならない。
気候変動破産をとりあげる意義として、次の四つをあげることができる。
第1に、気候変動破産が、人類にとって未知で未経験の国家破産・金融破産そして国際破産だからである。
第2に、気候変動破産が、人類史上で最大規模であり、しかも最も長期にわたる国家破産・金融破産そして国際破産となるからである。
第3に、気候変動破産が、その終局の結末として、人類もふくめ地球上の生物すべてを消滅させる人類破産を生み出すかもしれないからである。
第4に、気候変動破産が、共同利用という側面からみて最高度の公共財である地球環境の崩壊現象だからである。
以下、次の順序で考察してみる。
第1章の「破産の定義・分類と気候変動破産」では、人間の破産行為を定義・分類し、そのなかにおける気候変動破産の位置づけについて検討してみる。第2章の「気候変動破産とその特性」では、他の国家破産と比較することによって、気候変動破産の特性について検討してみる。第3章の「自然環境変動破産とIPCC報告書」では、人類が自然環境変動破産をどのように理解し、どのように対応しようとしてきたのかについて、 IPCCの報告書の検討から探ってみる。第4章の「社会環境変動破産とTCFD最終報告書」では、人類は社会環境変動破産をどのように理解し、どのように対応しようとしてきたのかについて、TCFDの最終報告書の検討から探ってみる。
本論文では、とりわけ第4章に多くを割かざるを得なかった。TCFD最終報告書の意図と真意がしっかりと理解されていなく、またそれを作為的にゆがめる政治の動きもあったからである。それゆえ本論文の副題に、「人類を救えるか:TCFD最終報告書」をつけ、そのことを明示した。なお枚数制限があるため、これ以外の論述については簡略にせざるを得なく、気候変動破産という視点からスケッチ(素描)した範囲にとどめた。今後の課題に残しておきたい。」

以上です。
ご笑覧いただければ幸いです。

コラム「財政破産の生け贄にされたジョン・ローの悲劇」を『国際経済評論IMPACT』に発表しました。2019年12月

このたび、コラム「財政破産の生け贄にされたジョン・ローの悲劇」を、公開コラムサイト『国際経済評論IMPACT』(2019年12月9日)に発表しました。

ご関心のある方は、次をクリックして、『世界経済評論IMPACT』にアクセスしていただき、拙稿コラムをみていただくことができます。

財政破産の生け贄にされたジョン・ローの悲劇

拙稿「ジョン・ローの国家破産・金融破産論」の研究成果を基にして、「ヘリコプターマネーの元祖」とか、「管理通貨の先駆者」(シュムペーター)と持ち上げる声がある一方,「詐欺師・山師」(マルクス)と批判されているローの実像を明らかにしたものです。巨悪は,ローを利用して,政府借金のツケをなんの責任もない庶民に回した政府(オルレアン公)だったのです。
これ以降,歴史は,財政破産を貨幣破産でとりつくろう悪弊を繰り返すことになります。

ご笑覧いただければ、幸いです。

論説「国家破産・金融破産および国際破産の歴史」が高知大学学術情報ディポジトリに掲載されました。2019年10月

このたび、論説「国家破産・金融破産および国際破産の歴史」を、高知大学経済学会『高知論叢』第117号(2019年10月)に発表しました。

紀国が研究をすすめてきました「国家破産・金融破産」研究の第3作となるものです。

ご関心のある方は、次をクリックして高知大学学術情報ディポジトリにアクセスしていただき、拙稿論文をダウンロードしていただくことができます。

国家破産・金融破産および国際破産の歴史

論文の構成は次のとおりです。
「国家破産・金融破産および国際破産の歴史」

はじめに
第1章 国家破産・金融破産および国際破産の定義と分類
第2章 八つの金融危機と国家破産・金融破産および国際破産
第3章 財政破産の歴史
第4章 貨幣破産の歴史
第5章 金融破産の歴史
第6章 国際破産の歴史
おわりに

本論文の意義について、「はじめに」において、次のように語っております。
「本論文では、国家破産・金融破産および国際破産についての、歴史実証研究の画期的な成果をとりあげる。
それは、カーメン・M・ラインハート&ケネス・S・ロゴフ著『今回はちがう:金融愚行の800年』‘Carmen M. Reinhart & Kenneth S. Rogoff, This Time is Different : Eight Centuries of Financial Folly ,Princeton University Press, 2009’ (邦訳:村井章子訳『国家は破綻する―金融危機の800年』日経BP社、2011年)である。以下、ラインハート&ロゴフと略す。
わたしが、ラインハート&ロゴフの研究成果を取りあげたのは、次の三つの理由からである。
一つは、原本の表題は「金融愚行の800年」であり、邦訳の表題は「金融危機の800年」であるが、そこに描かれているのは、まさに国家破産・金融破産そのものだからである。
著者たちの研究は、国家破産・金融破産のすべての発生様式とそれらの連動作用関係を網羅しており、国家破産・金融破産についての総合研究なのである。
二つめが、1300年から2008年までの800年もの長きにわたり、66ヵ国もの国を対象にして調査した実証研究であり、国家破産・金融破産の人類史を明らかにした研究成果だからである。
66カ国の内訳は、アフリカ13カ国、アジア12カ国、ヨーロッパ19カ国、中南米18カ国そして北米と太平州2カ国である。このすべてで世界のGDPの約90%をしめるという。彼らはこれらの多数の国の歴史データを徹底して収集したのである。
三つめは、著者たちが歴史実証研究から導きだした教訓というのが、意義深い言葉だったからである。
それは、原本の表題となっている「今回はちがう‘This time is different.’」シンドローム(病的傾向)である。人間が、「今回はちがう」と称しながら、結局は、「同じ過ち」をくり返してきたと、著者たちは教訓を引き出したのである。この教訓は学ぶべきものであるが、他方でこれは歴史における社会発展の矛盾を指摘しており、それも検討しなければならないのである。
著者たちは膨大なデータを収集し、そのデータセットをインターネット上でも公開している。かれらの著書は、このような豊富なデータを利用し、それらを分析した多数の図や表を用いて、新しい知見を明らかにしたものである。ただしその分析結果は多岐にのぼり、共著のためかいろんな説明が錯綜しており、しかも高度に専門的な内容もあるので、要点を理解しづらいところが多い。
本論文では、筆者の責任で、彼らの研究成果をよりわかりやすく、簡潔に要約して示すことにする。この貴重な研究成果をよりわかりやすく紹介し、多くの人に知ってもらい、国家破産・金融破産について関心を高めてもらいたいからである。なおもっと詳しく知りたい方には、直接に邦訳書や原本に当たっていただきたい。
以下、最初に、第1章「国家破産・金融破産および国際破産の定義と分類」において、国家破産・金融破産および国際破産についての、紀国の考える定義と分類を明らかにする。そしてそれをふまえて、ラインハート&ロゴフの研究成果を紹介していく。
まずは、第2章「八つの金融危機と国家破産・金融破産および国際破産」において、著者たちのいう八つの金融危機を紹介し、その内容を検討する。これ以降、第3章「財政破産の歴史」、第4章「貨幣破産の歴史」、第5章「金融破産の歴史」、第6章「国際破産の歴史」という順序で、かれらの研究成果を要約して紹介する。
最後に、第7章「歴史実証研究からの忠告」で、著者たちが歴史実証研究からたどり着いた教訓と忠告について考えてみる。」

以上です。
ご笑覧いただければ幸いです。